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我が子の入学式に参加するために
勤務先の学校の入学式を欠席した高校教諭の件の本質

4月、高校の女性教諭が我が子の高校の入学式に出席するために、勤務先の学校の入学式を欠席したことが大きな話題になった。女性教諭は1年生を担任することになっており、入学式当日に担任不在という事態になった。

「もし自分だったらどうするか」を考えれば、それでいいと思う。

4月、高校の女性教諭が我が子の高校の入学式に出席するために、勤務先の学校の入学式を欠席したことが大きな話題になった。女性教諭は1年生を担任することになっており、入学式当日に担任不在という事態になった。

女性教諭が務める高校も、その息子が入学する高校も同じ件の公立高校。入学式がバッティングすることは必然であった。そこで、女性教諭は事前に有給休暇を申請。校長もこれを認めた。そのような事情で入学式に出席できないことを説明する文書も、女性教諭は事前に用意して配付した。できる限りの配慮はしていたように感じられる。女性教諭としても学校としても熟慮の上での決断であったことがうかがえる。

しかし、来賓として式に参列した県議会議員が、翌日のフェイスブックで「教員の責任感や倫理観、モラルとはどうなっているのでしょうか? 教員には、仕事がある故、生活が成り立っている旨の思いはないのでしょうか? 権利ばかり言う教員はいらないのではないのでしょうか?」と憤慨をぶちまけたことから騒動となった。尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹氏も、「完全な職務放棄」と、女性教諭の選択を非難した。

ところが世論の反応は違った。埼玉県教育委員会に寄せられた意見では、「女性教諭への理解」が44%、「批判や苦情」が23%で、女性教諭擁護派が圧倒的に多かった。県議のブログには非難の書き込みが相次ぎ炎上。尾木氏のブログも炎上した。尾木氏は「僕が古くなっちゃったのかなぁ」と弱気のコメントをした。

「生徒よりも、我が子の入学式を優先することは、ありかなしか」とか、「仕事と我が子の入学式とどっちが大事か」のような雑な問いを立てれば、賛否両論を煽ることはできる。しかし、それになんの意味があるのだろうか。加熱する賛否両論の議論を見ていて、私はいささか冷めた気持ちでいた。

もしかしたら、この女性教諭の息子は、中学でひどいいじめにあって不登校を経験していたかもしれない。大病を克服して、やっとの思いで入学式を迎えていたのかもしれない。もっと極端なことをいえば、もしかしたら、この女性教諭の息子は、余命幾ばくもないのかもしれない。前提がわからないのだ。

それなのに、問題を一般化してしまって、当事者でもないのに、高校教諭を非難したり、それに注意を与えた教育長を非難したりというのは、自分の立場だけに立脚したあまりに幼稚な議論ではないかと思うのだ。よって私自身、この件についての賛否にはまったく興味がない。それぞれに「自分だったらどうするか」を考えればそれでいいと思う。

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