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「どう遊ばせる?」と悩む前に。自然体験が教えてくれた、親が力を抜くという選択

子どもにとっていい体験をさせたい——そう思うほど、「何をどうさせればいいのか」と迷ってしまうことがある。 コールマンの日本創業50周年トークセッションで語られたのは、そんな親の悩みに対する少し意外な視点だった。教育・保育評論家の汐見稔幸氏と、5歳の子を育てるmai氏。それぞれの言葉から見えてきたのは、「子どもを育てる前に、親がどう在るか」という問いだった。

 

「ちゃんとさせたい」という気持ち


終始和やかなムードで行われた鼎談では、自然の中での子どもとの関わり方が主題となっていた

「子どもを自然の中でどう遊ばせればいいのか悩むことがある」
mai氏のこの問いは、多くの親が抱えている感覚に近いのではないだろうか。体験が大事だと分かっているからこそ、「ちゃんとやらせなきゃ」と思ってしまう。結果として、必要以上に準備をしたり、先回りして教えてしまったりすることも少なくない。
けれどその“良かれと思って”の関わりが、子どもから主体的に関わる余白を奪ってしまうこともあるという。

 

自由にさせる、という選択

この問いに対し、汐見氏は「基本は、自由にさせることです」と答える。
自然の中では、すべてが思い通りにはいかない。だからこそ子どもは、自分で考え、試しながら状況に関わっていく。うまくいかない経験も含めて、そのプロセス自体が学びになっていくのだ。
だから親がすべてを整える必要はなく、むしろ整えすぎないことで、環境そのものが子どもを育てる力を持ち始める。

 

親が楽しめているかどうか

さらに汐見氏が強調したのが、“親のあり方”だ。
「親が楽しそうにしている姿を、子どもはよく見ています」
子どもに何かを“させる”ことよりも、親自身が自然の中でリラックスし、楽しんでいること。その空気が安心感となり、子どもの興味や行動を自然と引き出していく。

この言葉に、mai氏も深くうなずいていたのが印象的だった。

 

余白があるから、うまくいく


コールマンの日本上陸50周年を記念したアニバーサリーモデルたち

コールマンが提案してきたキャンプには、あえて残された“余白”がある。
少しの不便さや不確実さ。思い通りにいかない時間。そして、何をするかを決めすぎない余地。
そうした環境の中で、子どもは受け身ではなく、自分で動き始める存在へと変わっていく。同時に親もまた、「こうあるべき」という意識から少しずつ解放されていく。

 

子どもが育つ前に、親がゆるむ

自然体験は、何かを教えるための場ではないのかもしれない。
むしろ大切なのは、親が少し力を抜くこと。完璧にやろうとしないこと。そして、その場にただ一緒にいること。
そうした状態の中で、子どもは自分のペースで世界に関わり始める。気づけば、親自身も少し気が軽くなっているはずだ。

「どう遊ばせるか」という問いの前にあるのは、「親がどう在るか」という問いなのかもしれない
自由にさせること。そして、親自身が楽しむこと。
そのシンプルなあり方が、結果として子どもの育ちにつながっていく。

■汐見稔幸(しおみ としゆき)
教育学者。一般社団法人 家族・保育デザイン研究所代表理事。東京大学名誉教授、白梅学園大学名誉学長。全国保育士養成協議会会長、日本保育学会理事。
専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。子どもを一人の主体として捉える保育・教育のあり方を長年研究し、現場との対話を重ねながら「これからの保育・学校」の姿を提言している。
“どうすればよいか”だけでなく、“なぜそうするのか”を問い直す姿勢を重視し、保育者や保護者と学びを共有する活動にも力を注ぐ。
NHK Eテレ「すくすく子育て」「アイラブみー」などメディア出演も多数。

 


■mai
モデル・女優。
ファッションモデルを軸に、俳優として映画や広告、各種メディアに出演。Instagramでは約48万人のフォロワーを持ち、同世代の女性から支持を集める。
2019年に第一子となる女児を出産。現在は子育てと仕事を両立しながら、ママ世代の共感を集める発信でも注目されている。
2026年1月に旧芸名「わたなべ麻衣」から「mai」へ改名。コールマン日本創業50周年記念ムック本にもモデルとして登場。

 


■根本昌幸
ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社コールマン事業部 マーケティング本部ディレクター。
1992年にコールマンに入社して以降、製品開発から広告/PR、プロモーションまで、あらゆるマーケティングやブランディングに携わり、コールマン・ブランドの成長を支える。趣味はキャンプとバイク。日本各地のキャンプ場を1200ccの愛車と共に巡り、そのキャンプ数は年間40泊にもおよぶ。最近は1級小型船舶免許も取得し、釣りにも挑戦中。


文:PARENTS Well-being編集部

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