お笑い芸人・小島よしお「子育てには大変な毎日を帳消しにするハッピータイムがある」
2026/03/04
世界中で人気のアニメーション映画『ギャビーのドールハウス ザ・ムービー』が3月13日公開。“ニャンバサダー”として、「クッキー・ボビー」の日本語吹替を担当するお笑い芸人の小島よしおさんに、作品の見どころから、自身の子育て体験を伺った。
クッキー・ボビーの声に込めた
明るさの中にある悲しみ

映画『ギャビーのドールハウス ザ・ムービー』は、魔法のネコ耳で小さくなった主人公・ギャビー(写真左)がドールハウスの仲間たちと大冒険を繰り広げる物語だ。新キャラクターのクッキー・ボビー(写真右)は、ギャビーたちのピンチに突然現れてみんなを助ける、力強くて優しいおしゃべり好きな存在として描かれている。
――クッキー・ボビーはどんなキャラクターか教えてください。
小島よしおさん(以下、小島):僕は、個人的にクッキー・ボビーのあの天真爛漫な明るさの奥に、だれにも見せない深い悲しみを感じました。これは個人的に感じたことだから、それが真実かどうかはわからないですよ。もしかするとクッキー・ボビーがいる世界は、なにかしらの理由で捨てられたおもちゃたちが行く世界なんじゃないかなと考えました。
だからこそクッキー・ボビーは本当の強さがあるんです。そして、他のみんなもその世界でなにかしらの悲しみを抱えて生きている。だから、ただ元気で明るく演じるんじゃなくて、なぜ彼はみんなを助けようとするのか、なぜ彼は強いのかを想像して演じました。
――クッキー・ボビーを見て、小学生の頃の自分を思い出したそうですね。
小島:僕って、クラスの人だけじゃなくて、いろんなクラスの人たちにも話しかけて、勝手に「みんな僕の友達」と思ってました。人見知りもしたことないし、ただ単に無鉄砲だったのかもしれないですけど(笑)
――映画の中に「大人になったら遊んでいる暇はない」というセリフがありました。どう感じましたか?
小島:あれは、僕がまだ子どもだったら、もしかしたら素通りしてしまうセリフかもしれないですね。でも今の年齢で観ると、すごく刺さりました。どこかで常に時間を気にしていて、子どもの頃に持っていた“遊びの感覚”が、だんだん薄れてきているなって、あらためて感じます。
――映画の中で「キラキラを忘れないで」というメッセージがあります。小島さんにとってキラキラとは?
小島:僕にとってのキラキラは、「目標を見つけて、そこに向かって泳いでいる状態」ですね。海パン履いて、海に入って、遠くにブイが浮いていて、「あそこまで行こう!」って一生懸命に泳ぐ感じ。その途中は、正直シンドイですけど、目的地があると前に進めるし、その過程自体がキラキラしている気がするんです。
同じ場所にずっといると、落ち着かないというか。だから常に何かしら目標を持って、次のブイを探して泳いでいたい。挑戦し続けている状態そのものが、僕にとってのキラキラなんだと思います。
――大人になるほど「意味」や「効率」を考えてしまいます。
小島:そうなんですよね。僕の仕事って、周りから見ると遊んでいるように見える部分もあると思うんです。でも、自分の中では「遊びきれてないな」って感じる瞬間もあって。
最近は、仕事と遊びをどうつなげるかを考えている自分がいるんですけど、実はもっと関係ないところで、純粋にやりたいことをやってもいいんじゃないかとも思うようになりました。
思い通りにいかない毎日
その分だけ幸せは濃くなる
――子どもを持ったことで、より考えるようになった部分はありますか?
小島:子どもって、本当になんの意味も考えずに遊ぶじゃないですか。でも大人になると、「これをやって何になるんだろう」とか、「この時間に意味があるのかな」とか考えちゃう。
そんな大人な自分は好きじゃないなって思うこともあります。でも一方で、家庭を支えたり、仕事を続けていく立場としては、考えなきゃいけない部分でもある。そのバランスが、いまの自分のテーマかもしれません。
――子育てをする中で、大変だと感じることはどんなことですか?
小島:自分のペースや思惑どおりに物事はなに一つ進まないことですね。昨日まで食べていたものを、今日は急に食べなくなったり、夜泣きが終わったと思ったら、また夜中に起きるようになったり。「もう卒業した」と思ったことが、また戻ってくるんですよ(笑)。
――そのたびに、心の準備が必要ですね。
小島:そうなんです。来ると思っていて来るのと、「終わった」と思ってから来るのとでは、全然違う。最近も夜中の3時から4時くらいまで起きていて、なかなか寝てくれなくて……。正直、体力的にもメンタル的にも頑張りどころです。
――それでも、幸せを感じる瞬間も多いのでは?
小島:はい! それを全部帳消しにするくらいの“ハッピータイム”が! 今、言葉を覚えている途中なんですけど、言えたり言えなかったりの絶妙な時期で。だいたい打率3割くらいなんですが、「魚」が「カカナ」「カサナ」からほぼ「サカナ」と言えた瞬間は、もう本当にうれしくて。
できなかったことが、ある日ふっとできるようになる。その瞬間を毎日見られるのは、すごく幸せだなって思います。大変な日々があるからこそ、小さな成長が何倍も嬉しく感じられます。
夫婦関係を前に進めるのは
月に一度の「ふりかえり時間」
――家事や育児の分担、夫婦関係についても教えてください。
小島:仕事が不規則なので、できるときにできることをやる、というのが基本ですね。
朝は僕が担当することが多くて、夜は帰ってきた時間からできることをやる。土日はイベントで家を空けることも多いので、その分、平日にカバーするようにしています。
――家事の中で、担当が決まっているものはありますか?
小島:「ぬめ担」です。「ぬめ」というのは、お風呂場やキッチンの“ぬめっ”としやすい場所のことで、主にそこを主戦場にして担当しています(笑)。特別な理由があるわけじゃないんですけど、「自分がやったほうがいいな」と思ったところをやる、という感じです。
――夫婦で仲良くいるために、心がけていることはありますか?
小島:月に一回、必ず二人で振り返りの時間をつくっています。「今月どうだったか」「ありがとうと思ったこと」「ちょっと嫌だったこと」も含めていろいろ話す時間です。
――その場で言わずに、あえて少し時間を置くんですね。
小島:そうなんです。ちょっとムッとしたときに感情のまま言ってしまうと、どうしてもお互いにヒートアップしちゃうので。ムッとしたことをちゃんとメモしておいて、冷静なときに話すようにしています。
だけど、僕なんて同じ過ちを何度も繰り返すなんてしょっちゅうですから、妻には「人間だから忘れるよね」「許し合おうぜ!」と笑って誤魔化します。「許し合おうぜ!」っていうのは、二人の中で共通認識としてあります。
――夫婦が仲良くしていくための工夫ですね。
小島:完璧にはならないです。でも、話したほうが絶対にいい。そうやって少しずつ、前に進んでいけたらいいなと思っています。
PROFILE
小島よしお

1980年生まれ、沖縄県出身。お笑い芸人。2007年、テレビバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』『笑いの金メダル』への出演を通し一躍ブレイク。ネタフレーズの「そんなの関係ねぇ!」は、「ユーキャン新語・流行語大賞2007」でトップ10受賞した。現在は、YouTubeの教育系チャンネル「おっぱっぴー小学校」で、算数や言葉、生活の知識などを楽しく学べる動画を配信。チャンネル登録者数は約17万人以上。キッズライブなど“最強キッズ芸人”として活躍中。ジュニア野菜ソムリエ、キッズコーディネーショントレーナー等、多数の資格を保有する。1児のパパ。
DATA
『ギャビーのドールハウス ザ・ムービー』
2026年3月13日(金)全国公開

世界的に人気を集めるキッズ向けアニメシリーズ「ギャビーのドールハウス」が初めて映画になったファンタジーアドベンチャー。主人公のネコ好き少女ギャビーは、体が小さくなる魔法のネコ耳を使って、不思議なドールハウスの世界でかわいいネコちゃんのお友達と遊んでいた。ある日、ギャビーは陽気な祖母ジジとともにロードトリップに出発する。ところがその道中で、ギャビーの大切なドールハウスが何者かにさらわれてしまう!ドールハウスを取り戻すため、ギャビーと親友パンディは、ドールハウスの世界を飛び出し仲間たちの救出作戦を開始するが……。アニメと実写を融合した家族向け映画として、子どもたちにキラキラとワクワク、感動を届ける一作だ。
©2026 DreamWorks Animation 配給:東宝東和
文/脇谷美佳子